都市フォント構想
概要
都市フォント構想は、都市が独自に持っている個性や魅力をフォントのデザインに取り入れることで、都市らしさを具現化するための構想です。都市オリジナルのフォントをあらゆる媒体に統一的に使用することで、都市アイデンティティの形成を助け、市民の一体感を醸成し、都市景観に貢献するツールとなります。
背景
欧米を中心に都市間で生き残り競争が激化しており、都市ブランディングの重要性が高まっています。ローマやソウルなどの都市では、都市の案内サイン、ウェブサイト、ポスター、リーフレット等の視覚的コミュニケーションにおいて、フォルムの美しさや機能性だけでなく、その都市らしさを反映させたフォントを新たにデザインし、活用することで、その都市のブランディングを効果的に進めています。
都市フォントの三要素
地域性(都市の個性を活かす)
- 方言との結びつきが感じられる書体(訛り・アクセント・イントネーション etc.)
- 地方の味を彷彿とさせる書体(濃い・淡い・まろやか・芳醇 etc.)
- 土地の人の気質が感じられる書体(あっさり・穏やか・大人しい etc.)
- 風土や気候を表現した書体(寒い・曇りがち・雪国・荒波・山並・川面 etc.)
- 地方独自のモニュメントや動植物をモチーフにした書体(遺跡・草花・昆虫・鳥獣 etc.)
一貫性(都市のアイデンティティを形成する)
- 生まれ育った景色と共にある書体
- 広く長く使うことで得られる経済的・文化的な効果
- 統一感を持たせることで観光客の認知と理解を促す
- 案内表示からパンフレットまで多様なアイテムを結びつける
公共性(都市の価値を高める)
- 自分の街に誇りを持てる
- 都市景観との調和
- 市民が納得する制作プロセス
- 利便性と公益性の高い提供方法とその運用