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都市のキャンペーン用に
作られた書体
ドイツの首都ベルリンは2008年から「be Berlin」という世界に向けてベルリンをPRする新しいキャンペーンを開始した。スローガン、コンセプト、デザインの3つの重要なプロジェクトの内、デザインプロジェクトにはコンペの末、ドイツのデザインスタジオ、Fuenfwerken Design AGが担当している。
このキャンペーンでは、見出し用にBMFChange Letterという新しい書体がデザインされた。デザインは元MetaDesignでドイツ在住のイタリア人デザイナー、アレッシオ・レオナルディ氏が担当している。最近ではLinotype社の自動植字機生誕120年を記念して発売された冊子「A LINE OF TYPE」や「Mr. Typo and the Lost Letters」などでも氏の仕事(イラストレーション)を見ることができる。
キャンペーン用のツールとして作られたBMFChange Letterだが、後に都市アイデンティティ用のツールとして考えられるようになった。市のコミュニケーションにおいては、BMFChange Letterが持っている特徴的すぎるディテール、タイプライターのような構造、相対的に広い字幅などが適していないことから、やや控えめで少し字幅を凝縮したBMFChange Sansが作られた。このようなプロセスを経て、結果的にLetter、Sansの2つからなる書体ファミリーとなったBMFChangeはキャンペーンで使われている吹き出しのアイコンの効果も加わり、市の声、市民の声を反映するものになってきている。
現在、BMFChangeはベルリン市の専用フォントであるため、一般ユーザが利用することは出来ないが、一定の専用期間が経過するとBuyMyFonts.comから販売されるとのこと。また、アレッシオ・レオナルディ氏の手によってウェイトの拡充が進められているとのこと。